亜鉛めっきの特徴
- 鉄鋼製品のさび止め効果(めっき皮膜にピンホールがあっても亜鉛と鉄の電池作用によって亜鉛が犠牲となって鉄素材のさびを防ぐ為。)
- 電気めっきの浴組成は、おもにシアン浴、ジンケート浴、塩化浴などがあります。
- 1.シアン化亜鉛めっき
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- クロメート処理が容易で、耐食性向上の効果が大です。
- めっき浴が電解洗浄の効果があり、素地を侵食することが少なく、前処理が容易でありめっき不良の発生も少なくなります。
- 亜鉛陽極の溶解がよく、浴管理が容易です。
- 劇毒物のシアン化ナトリウムを含み環境負荷の面から考えると扱いにくいです。
- 2.ジンケート浴亜鉛めっき
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- 耐食性はシアン浴にやや劣ります。
- 前処理にて電解洗浄の工程を入れるのが理想的です。
- シアン化ナトリウムを含まず、低金属濃度なので公害防止上有利です。
- 光沢・レベリングの良いめっきが得られます。
- 入り込み性がシアン化亜鉛めっきに比べ良いので、ある程度内部までの亜鉛被覆が期待できます。
- 3.塩化亜鉛めっき浴(酸性、中性)
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- シアンを使用しません。
- 陰極電流密度が高く、めっき速度が速いです。
- 水素脆性をおこしにくい利点があります。
- 塩化亜鉛でのめっきは現在あまり主流ではありません。その代り、最近ではバイオ燃料(高濃度アルコール燃料)への耐食性が良好であるスズ、鉄、ニッケルを含む亜鉛合金めっきの存在感が増しています。
- 4.酸性亜鉛めっき浴
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- 酸性塩化亜鉛めっき浴のほかに、硫酸亜鉛浴、ホウフッ化亜鉛浴があります。
- 硫酸亜鉛めっき浴は均一電着性に劣るが、高速めっきが可能で柔軟性の良い皮膜が得られます。
- ホウフッ化亜鉛浴は陰極電流効率が高く、水素脆性を与えにくい。一方で、浴が高価で均一電着性が悪いです。
引用、参考文献:
『日刊工業新聞社刊 (社)表面技術協会編 表面技術便覧』、
『日本鍍金材料協同組合発行 藤ヶ谷雄章編 めっき技術ガイド改訂版』、『日刊工
業新聞社刊 丸山清著 初級めっき』
『日刊工業新聞社刊 (社)表面技術協会編 表面技術便覧』、
『日本鍍金材料協同組合発行 藤ヶ谷雄章編 めっき技術ガイド改訂版』、『日刊工
業新聞社刊 丸山清著 初級めっき』